日本語教師をしていると生徒からよく聞かれる質問があります。それは「日本人はなぜすぐ自殺してしまうんですか?」「残業が多くて自殺する人がいるって本当ですか?」という質問。
今回は日本人の過労による自殺がどれだけ海外から見て異常なのか、実際に聞いた海外の労働環境と比較をしながらお伝えしようと思います。
スポンサーリンクきっかけは23歳、新卒社員の自殺のニュース
これは都内の建設会社で働いていた23歳の新卒社員の遺書です。212時間の残業を強いられたのち、失踪。自ら命を経ちました。
「突然このような形をとってしまい、もうしわけございません。身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした」
「家族、友人、会社の方、本当にすみませんでした。このような結果しか思い浮かばなかった私をどうかお許しください。すみません」
引用:BuzzFeed News|https://www.buzzfeed.com/jp/kazukiwatanabe/20170720?utm_term=.ms2lpL53Qm
日本という国を外国人の生徒に知ってもらうためにその時、起きたニュースを選んで一緒に読むことがあります。
日本で会社員をしているインドネシア人の生徒、ハニフさん (24歳) 。23歳の新卒社員の自殺のニュースを一緒に読んでお互いの意見を出し合うクラスをしました。
ハニフさんがびっくりしていたのは日本の過労による自殺の多さ。インドネシアで20年以上生活してきて、一度も過労自殺の新聞記事やニュース見たことがない。と断言していました。
最後に彼が言っていたのは「日本人はとにかく真面目すぎますね。インドネシア人はそこまで真面目になれません。」
現在ハニフさんは日本の企業でプログラマーとして働いています。彼がMAXで残業をしたのは40時間。日本人にとって40時間の残業はちょっと多いかなレベル。でも彼にとっては「なぜ生きているのか?」「人生はなんのためにあるのか?」そう思い悩むぐらい超過酷労働だったそうです。
じゃあ外国人は仕事が辛かったらどうするの?
日本ではたとえ仕事が辛くてもなかなか辞めることができませんよね。人によっては精神的に病むまで働くか、自殺をしようか、それぐらい究極の選択を迫られる場合もあります。
私もフリーランスになる前に貿易会社で一年弱働いていましたが、入社してすぐに残業が60時間になり、多い時で90時間近い残業をしました。その後、体力的にもメンタル的にもきつくなり退職を決意しました。その時、上司に肩を掴まれてこう言われました。
「お前が今ここで逃げたら一生日本で負け犬だぞ?本当にそれでいいのか?」
これを聞いて人生ほとんど終わったも同然だな。とすごく暗い気持ちになった記憶があります。会社を続けるのも地獄、辞めるのも地獄そう感じた瞬間でした。本当に言葉の力はすごいですね。
だからこそ、たとえ辛くても仕事を続けなければいけないのが日本社会。ちょっとリタイアしたものなら人生のレールを踏み外した。と思われる。では他の国の人たちは残業をどれくらいしているのでしょうか?
他の国の残業時間ってどれぐらいなの?
最近、アメリカ人のカールさんと話していて、びっくりしたことがありました。彼は21歳でプログラマーとして会社で働いています。
私「最近、仕事はどうですか?」
カールさん「本当に忙しくて毎日たくさん働いています。」
私「そうなんですね。残業はどれくらいしていますか?」
カールさん「1週間に2時間もしています。」
たったの2時間!?びっくりしました。それでも彼にとってプライベートの時間を2時間削ることはありえないようでした。イギリス人のパトリックも8年間会社員をして残業したのはたったの2回。1ヶ月じゃないです。8年で2回です。
「残業をするより、自分のライフスタイルを楽しむことが優先。」
おそらくこの考えは欧米では当たり前のような気がします。残業をしている人ももちろんいます。でも人生を犠牲にするまでしている人は今まで会ったことがありません。
嫌だったら辞めて、転職すればいい
もし、仕事が本当に嫌だったらどうするのか、同じ質問を10人の外国人生徒に聞きました。10人中10人が「嫌だったら辞めればいい。自分に合う仕事を探す。」を選びました。嫌だけど続けるという人は誰もいませんでした。
シンガポールで会社員をしている、アイリンさんという30代の女性の話です。彼女は政府機関で2年間働いた後、転職を決めました。2年で転職って結構、早いなあ〜と思いましたが、一瞬で次の仕事が見つかりました。
しかし、その後、新しい会社のスタイルが合わず2週間でその仕事を辞めてしまいました。でも現在はまた新しい仕事をスタートしています。
アイリンさんが言っていたこと「自分に合うか合わないかは実際に働いて見ないとわからない。嫌だったら辞めてまた新しい場所を探せばいい。」そういう考え方が他の国では多いなと思いました。1つの会社に長くいないといけないという考えが全然ありません。
スポンサーリンク休職制度が充実している
オーストラリア人のラリッサさんも今年銀行を退職し、日本で英語の先生をします。3年間働いたのち、オーストラリアに戻ってまた同じ銀行に復帰をします。
パトリックも8年間、公務員としてイギリスで働いていましたが、1年間の休職をしてこっちに来ています。たとえ長い休暇であってもまた働ける環境が整っているのです。
こうやってみると日本との労働環境が全然違います。もし海外に行きたかったら、もし病気になったら日本では仕事を辞めないといけません。辞めたくないから無理しててでも続けないといけません。でも、海外、特に欧米では休職制度がとても充実しています。
世界から見た日本の労働環境
1ヶ月50時間以上の残業は社会人として当たり前。サービス残業だって仕事をこなすためならしょうがない。以前はそれが普通だと思っていました。
でも今、これだけは声を大にして言いたいです。世界的に見て、日本の労働環境はマジで異常です。100時間の残業を強いられる。みんなが残業してるから残業する。全て異常です。
残業が多くて、自由がないから会社を辞めた私はゆとりの負け犬だと思いました。でも世界基準でみたら辞めたことはゆとりでも負け犬でもありませんでした。
イタリア人が言っていた言葉を日本人全ての人に言いたいです。「人生で一番大切なことは自分がまず楽しむこと。その次は家族や友達を大切にすること。その次に仕事。」
会社を辞めてもなんだかんだ生きていける
私は1年経たずに貿易会社を辞めて人生オワタ\(^o^)/状態でした。でも実際、会社を辞めてどうなったでしょうか?正直、どうにでもなります。むしろ、人生始まったって感じです。
もしあの会社に10年いて学んだことと現在、フリーランスとして学んでいること、どっちの方が人生で役に立つか考えたら絶対、後者です。
会社を辞めたら人生が終わる。そういうイメージがあるかもしれません。でも人生終わりません。むしろ新しい道が見えてきます。仕事が辛くて会社を辞めたい人はやめればいいと思うし、なんなら思い切って海外に行くのをおすすめします。
オーストラリアなんてアルバイトの最低時給23ドルの国ですよ!日本で正社員しているより全然食べていけます。
世界中の人と話して常識が変わった。
日本語教師として毎日世界中にいる生徒と話をして、日本の常識は世界の非常識だと知りました。100時間の残業だって、過労自殺だって、当たり前のように起こるけど、世界から見たら超異常なことです。クレイジージャパン(頭イっちゃってる日本)って言われてるの知ってますか?
「自殺をするぐらいなら仕事なんてしなくていい。」
「命と比べたら仕事なんて全く重要じゃない。」
「仕事が辛くて辞めたければ辞めていい。」
これは彼らから学んだ言葉です。これを聞いて私も働くことについて考え直しました。
もし今、本当に会社が辛くて鬱だったり、自殺を考えている人がいるとするならば、
私に連絡してください。私の激ヤバストーリーを他方ジャンル(エロ、グロ含む)でお話しします。吉本の若手より笑わせる自信があります。そして少し気が楽になると思います。
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